外資系と聞くとより良い待遇やワークライフバランスなどの面で良いイメージを持つ人は少なくありません。しかし改めて考えると、外資系企業そのものについての理解が実はそれほど深くないという事実もあります。外資系とは外国の出資を略したものであり、文字通り、外国が資金を出して会社経営をしています。その運営方法には国内で会社を立ち上げた、日本の会社と共同出資で設立した、日本法人を買収したという3つの形態があります。役員に外国人が就任している、従業員に駐在外国人が多い、社内資料に英語が多いと言った特徴は見られるものの、大部分が日本の会社法に則った経営をしている点では日系企業とそれほど大きな差があるわけではありません。
外資系企業の中には、社風の自由度が高くオープンな雰囲気のあるところも多いです。しかしその中で働いているのはほとんど、部署によっては全員が日本人です。事実、英語を活かしたいと思って転職したものの、実際には通常の一般事務を行っているといった体験談も少なからず聞かれます。外国が出資しているとはいえ会社運営は日本の会社法の下にあり、国内の同業と比較して年収や有休の量に大きな差があるとは限りません。強いて言えば外資系企業には年俸制を導入しているところが多く、日本のボーナスと支給条件が異なる点は特徴的でしょう。外資系企業への転職を考える際には外資系というフィルターを外し、待遇や給与の面をしっかり確認する、この点では国内企業への転職と変わりません。